寸法:W15cm D5.5cm H9.5cm
no.082
会津の郷土玩具として親しまれてきた赤べこを、柿渋で仕上げた一体です。
約400年の歴史を持つ赤べこは、張り子の牛の玩具で、古くは「厄除け牛」「幸運の牛」と呼ばれ、疫病除けや無病息災を願う縁起物として親しまれてきました。
その起源には諸説ありますが、1590年会津藩主・蒲生氏郷が副業奨励のため藩士に張り子づくりを学ばせたことが始まりと伝えられています。会津方言で牛を意味する「べこ」に由来する名を持ち、赤べこ伝説の赤い牛にあやかって、魔除けの象徴として赤く塗られてきました。
本作は、艶を抑えた柿渋仕上げによる深い赤褐色が印象的で、防水・防腐の効果も持ち合わせています。素朴ながらも落ち着いた佇まいを備え、胴には「家内安全」「子孫繁栄」の文字が記され、暮らしの守りと繁栄を願う祈りが込められています。
首を揺らす素朴な仕組みは、もともと子どもをあやすための工夫によるもの。ゆらゆらと首を振る姿には、「厄を振り払う」「災いを受け流す」といった意味も重ねられ、子どもの健やかな成長を願う魔除け・厄除けのあやし人形として親しまれてきました。子どもの誕生や節目の祝いには、「赤べこのように重荷に耐え、健やかに育つように」との願いを込めて贈られてきたといいます。
会津の風土と信仰、そして人々の祈りの歴史が、静かに凝縮された一品です。
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赤べこ伝説
およそ1200年前の807年、徳一大師が柳津町の圓藏寺にある福満虚空藏尊堂を建立していた際、資材の運搬が思うように進まず難儀していた。そのとき、どこからともなく赤い牛の群れが現れ、工事を助けたと伝えられている。多くの牛や人が過酷な作業に倒れる中、最後まで力を尽くして働いたのが赤い牛だった。この出来事をきっかけに、会津では赤べこが縁起の良い存在、幸運を運ぶ牛、厄除けの象徴として語り継がれ、やがて健康や長寿を願う守りとして親しまれるようになったといわれている。
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