月読古物は、日本の風土や信仰、人々の営みの中で生まれ、育まれてきた品々を通して、日本の美しさと、その奥にある時間や想いを静かに手渡していく場です。 その根底にあるのは、日本人が改めて自らの来歴に目を向け、この国に息づく美しさを見つめ直し、誇りとともに日本文化を大切にしてほしい、という願いです。 きっかけは、旅好きな店主によるペルー旅とアメリカ旅でした。ペルーではナスカ、ケチュア、アイマラの人々と、アメリカではネイティブ・アメリカンの人々と出会いました。会話を重ねる中で、土着の文化を大切にし、先人たちの営みや想いを受け継ぎながら暮らす、彼らの生き方や在り方そのものが、とても尊く、眩く、美しいものでした。 米国在住時から、外からの視点で浮かび上がる日本文化の魅力に惹かれていきました。一時帰国のたびに京都を中心とした文化に触れる場所を訪れ、帰国後は地元である四国八十八か所を巡礼。さらに、古事記の舞台となる出雲や高千穂、戸隠、伊勢、そして民藝の地である鳥取、島根、益子、倉敷、焼き物の町々へと―― 気づけば、心に導かれるように、惹かれる土地へ足を運ぶようになっていました。 こうした経験を通して、下記を内包した「土着感」のあるものを軸に、店主の心に触れた品を撰び集め、伝え残してゆきたいと考えました。 記憶、気候、自然、土地、来歴 営み、知恵、技、継承 物質的なもの、精神的なもの 撰品の際は、一点一点の品と静かに向き合いながら、 その背景や技術に耳を澄ませ、作り手や過去の使い手と対話するような気持ちで手に取っています。 ものには多面的な魅力があるため、「用途」「信仰」「地域」「素材」の四つの切り口からお探しいただけるようにしています。 店主こだわりの「信仰 ― 祈り」カテゴリーでは、神道、仏教、民間信仰、郷土玩具の品々を集めています。古来より、祈りは人々の暮らしのそばにあり、世界に共通する行為です。見えない何かに想いを寄せ、願いを託し、感謝を捧げ、静かに手を合わせる。その姿そのものが、人の営みの中にある、ひとつの美しさだと考えています。 背景や来歴がわかるものについては、できる限りその物語を記し、品の奥にある時間や想いもあわせてお伝えしたいと考えています。 当店が、単なる品揃えの場ではなく、日本の文化や暮らしに、そっと触れるひとときとなりましたら幸いです。
