寸法:W9.8cm D12.9cm H4.4cm
no.012
日本の国鳥であり、春の季語としても親しまれる雉。
黒漆地に蒔絵で桜の下に静かに佇む姿を描き、日本の春の美しさを凛と映し出す、静謐な空気の中に品のある華やかさを湛えた小箱です。
静かな闇を思わせる黒地に、岩に立つ一羽の雉。赤く縁取られた目、褐色から金へと移ろう尾羽、繊細に描き分けられた羽の重なり。写実と装飾性がほどよく調和し、落ち着きの中に凛とした気配を宿しています。作行きからは、輪島塗の可能性も感じられます。
足元の岩は、高蒔絵による立体的な表現でしょうか。高度な技術を要する技法により、ざらりとした岩肌の質感が巧みにあらわされ、平面的な蒔絵との対比が奥行きを生み出しています。
上部には枝垂れる桜の意匠。金の蒔絵が黒地に映え、やわらかな光を帯びています。余白を大きくとった構図が、かえって雉の存在感を引き立て、品格ある佇まいに仕上がっています。
雉は古来、勇気や母性愛の象徴とされ、吉祥の鳥としても親しまれてきました。日本の風土に根ざした題材が、漆の深みと静かに響き合います。鑑定士の見立てでは、江戸期頃の作と推定されます。
日常の中に、静かな格調を迎え入れる小箱です。
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高蒔絵
文様を文字通り高く盛り上げてから金粉などを蒔き、立体的に仕上げる蒔絵技法。盛り上げにはいくつかの方法があり、漆を重ねて厚みを出す「漆上げ」、漆の上に炭粉や焼錫粉を蒔いてさらに高さを出す技法、砥粉に生漆を混ぜた錆漆で形を作る「錆上げ」などがある。いずれも手間と時間を要する高度な工程。平蒔絵に比べて陰影が際立ち、文様に奥行きと豊かな質感を与えるのが特徴。
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